妊娠~卒乳までの胸はどう変化する?
女性の胸は、授乳に備えようと妊娠初期から大きくなり始め、平均1~2カップ程度サイズアップします。これはプロラクチン(乳汁の分泌や乳腺の発達を促進するホルモン)による影響で、この濃度は分娩直前がピークとされています。
授乳中は、赤ちゃんが乳首に吸いつく刺激によってプロラクチンが分泌されるため、胸のサイズは維持されるか、あるいは母乳の重さが加わって大きくなります。そして、卒乳後は刺激がなくなるためプロラクチンの濃度が急激に低下し、胸のサイズは小さくなります。
妊娠・出産を経験すると、胸のサイズを元通りにすることは難しいでしょう。しかし、発達した乳腺組織は卒乳後に脂肪に変わるため、その脂肪がほかの場所に流れないよう適切なケアをすることで胸の形を整えることは可能です。
産後に胸が垂れる・しぼむ原因4選
産後に胸が垂れる・しぼむ原因はおもに4つあります。
- 女性ホルモンの分泌量が低下するため
- 皮膚やクーパー靭帯が伸びるため
- サイズの合わないブラジャーを使用しているため
- 猫背が習慣化しているため
以下で一つひとつ解説していきます。
1.女性ホルモンの分泌量が低下するため
妊娠中や授乳期は、母乳を作るために多くの女性ホルモンが分泌され、乳腺が発達します。この働きによって、胸にハリが出てサイズも大きくなるのです。
しかし、卒乳後は女性ホルモンの分泌量が急激に減少するため、乳腺が委縮していきます。胸が小さくなった、しぼんだと感じるのはこのためです。
2.皮膚やクーパー靭帯が伸びるため
妊娠により胸が大きく膨らみ皮膚が伸びた結果、卒乳後はしぼんだように感じる場合があります。さらに、肌の弾力を維持するために必要なコラーゲンやエラスチンは、年齢を重ねると減少していくため、一度伸びた皮膚は元に戻りにくいとされています。
また、胸の急激なサイズ変化の影響で、胸を支えているクーパー靭帯が伸びたり傷ついたりするケースもあります。クーパー靭帯は一度伸びると元に戻らないため、胸が垂れやすくなります。
3.サイズの合わないブラジャーを使用しているため
妊娠中は胸のサイズが1~2カップほど大きくなり、授乳段階には母乳がたまっている状態と赤ちゃんが飲んだあとの状態でもサイズが変化します。
こうしたサイズ変化に対応せずにサイズの合わないブラジャーを着用したり、ブラジャーを着用しなかったりすると、胸を正しい位置で支えられず、クーパー靭帯への負担が大きくなります。
なお、授乳中に締めつけ感の強いブラジャーを着用するのは危険です。血行不良になり、乳腺炎を引き起こすリスクがあります。
4.猫背が習慣化しているため
授乳中や赤ちゃんのお世話をしているときは、どうしても前かがみの姿勢になりやすいものです。しかし、猫背が習慣化していると胸を支える筋力が弱まったり、胸が重力に引っ張られたりしてクーパー靭帯に大きな負担がかかります。
その結果、胸が垂れやすくなり形も崩れる可能性があります。
産後のバストアップ効果が期待できる方法7選
胸のサイズ感を少しでも元に戻すには、具体的にどのようなケアをすればいいのでしょうか。ここでは、産後のバストアップ効果が期待できる方法を7つ紹介します。
- 良い姿勢を意識する
- ブラジャーのサイズを見直す
- ナイトブラや育乳ブラジャーを着用する
- 胸の筋トレをする
- 胸のマッサージをする
- バストクリームを塗る
- 栄養バランスのとれた食事を心がける
無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。
1.良い姿勢を意識する
日頃から胸を張り、背筋を伸ばした状態を保てるよう意識しましょう。良い姿勢を維持することで、大胸筋や小胸筋の筋力アップが期待でき、美しいバストラインにつながります。また、血行が促進され、必要な栄養素が胸に行き届きやすくなります。
ただし、胸を張ることを意識しすぎて反り腰にならないよう注意が必要です。体の力を抜き、頭の上から1本の糸で引っ張られるようなイメージで姿勢を正しましょう。
2.ブラジャーのサイズを見直す
妊娠前に使用していたブラジャーをそのまま身に着けている方もいるかもしれませんが、産後は胸のサイズが変化している可能性があります。そのため、胸のサイズを測定し直し、現在の自分の体に合ったものを身に着けましょう。
冒頭でもお伝えしたとおり、妊娠によって発達した乳腺組織は、卒乳後に脂肪へと変化します。自分に合ったサイズのブラジャーを選べば、脂肪が正しい位置で形状記憶され、胸の形を整えられる可能性があります。人によっては胸のカップサイズが上がる方もいます。
ブラジャーのサイズの選び方やフィッティング方法などは、以下のページからご確認ください。
正しく知っていますか? ブラジャーの基礎知識
3.ナイトブラや育乳ブラジャーを着用する
ナイトブラは睡眠中に脂肪が流れたり揺れたりするのを防いで、キレイな形を維持してくれるものです。一方、育乳ブラジャーは脂肪を寄せ集めてふっくらした胸を作れるものを指します。
妊娠前に比べて、卒乳後の胸は脂肪がやわらかく垂れやすいため、これらのアイテムを着用することでバストアップ効果が期待できるでしょう。
なお、妊娠初期からは、胸のサイズの変化に合わせて優しくサポートしてくれるマタニティブラジャーを着用するのが理想的です。
シャルレのウェブストアでも、以下のナイトブラやマタニティブラジャーを販売しています。
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4.胸の筋トレをする
胸の土台である大胸筋を鍛えると、バストアップできる可能性があります。ここでは、簡単かつ日常で取り入れやすいトレーニングとして、以下の2つを紹介します。
ダンベルプレス
ダンベルプレスは、以下の手順で行ないます。
- 仰向けになり、両手にダンベルを持つ(床で行なう場合は膝を立てる)
- まっすぐダンベルを上に持ち上げる
- その状態で5秒間キープした後、肘の角度が90度になるようゆっくりと曲げていく
- 2と3の動作を繰り返す
1日に10回×3セットを目安に行なうとよいでしょう。ダンベルは、500mLのペットボトルでも代用可能です。
プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップは、以下の手順で行ないます。
- 肩幅よりもやや広めに手を開き、床につける
- 足のつま先を床につけた状態で膝を浮かせ、頭からかかとまで一直線をキープする
- ゆっくりと腕曲げ、限界まで体を下ろす
- 腕を伸ばして体を持ち上げる
- 3と4の動作を繰り返す
こちらも、1日に10回×3セットが目安です。体勢がつらい場合は、膝をついて行なっても問題ありません。
5.胸のマッサージをする
胸のマッサージをするとリンパの流れがうながされ、胸に栄養が行き届きやすくなるといわれています。ただし、力を入れすぎるとクーパー靭帯を傷めてしまうため、優しくマッサージしてください。
以下の2つのマッサージはいずれも短時間で終わるものなので、お風呂上りになどに取り組むとよいでしょう。
背中から胸にかけて行なうマッサージ
背中から胸にかけて行なうマッサージの手順は、以下のとおりです。
- 脇の下から背中(肩甲骨)のほうへ手を伸ばし、脇の脂肪をつかむ
- 脇の脂肪を胸のほうへと引っ張り、1分間キープする
- 同じ方法で逆サイドも行なう
鎖骨付近をほぐすマッサージ
鎖骨付近をほぐすマッサージの手順は、以下のとおりです。
- 鎖骨の下にある小胸筋を、反対側の手の人差し指、中指、薬指で軽く押さえる
- クルクルと小さな円を描きながら、胸の横や脇の下の筋肉を30秒ほどほぐす
- 胸を下からぐっと持ち上げる
- 同じ方法で逆サイドも行なう
6.バストクリームを塗る
胸のマッサージを行なう際にバストクリームを使用することで、マッサージの効果がより高まるといわれています。保湿はもちろん、バストアップにつながる成分が含まれているものも多いため、産後のケアに効果的です。
ハリや弾力を与えてくれる成分や胸の脂肪増大効果が期待できる成分、女性ホルモンの活性化が期待できる成分など、含まれる成分はアイテムによって異なります。自分の求める効果が得られそうなものを選びましょう。
7.栄養バランスのとれた食事を心がける
人間の体は食事から得た栄養で作られており、特に授乳中は多くの栄養・エネルギーが必要です。そのため栄養バランスのとれた食事は、バストアップをサポートしてくれるでしょう。
以下のような食事が理想的な組み合わせです。
- ご飯などの「主食」
- たんぱく質をメインとした「主菜」
- 野菜や海藻を使った「副菜」
- 汁物
また、以下ではバストアップを意識している方が積極的に摂りたい栄養素と、多く含まれる食品を表にまとめました。
| 積極的に摂りたい栄養素 | 多く含まれる食品 |
| たんぱく質 | 肉類・魚類・大豆・卵など |
| イソフラボン | 豆腐・納豆・きな粉・味噌など |
| ボロン | キャベツ・りんご・ナッツ類など |
卒乳後のブラジャーは目的やお悩みに合わせて選ぼう
卒乳後のブラジャーは、自分に合ったサイズはもちろん、目的やお悩みに合わせて選ぶことをおすすめします。例えば「胸にハリがない」「デコルテ部分のボリュームがない」といった悩みには、下から胸を持ち上げてくれるものや補整機能のあるものが向いているでしょう。
お悩みを解決できるようなアイテムを選べば快適に過ごしやすくなり、自信にもつながります。
シャルレのウェブストアでも、以下のような補整ブラジャーを販売しています。どちらもノンワイヤーでありながらしっかり胸をサポートしてくれ、心地良い着用感を追求したアイテムです。
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産後の胸に関するよくある質問
ここでは、産後の胸に関するよくある質問にお答えしていきます。
Q.産後、胸の大きさに左右差が生じることがあるのはなぜ?
胸に左右差ができる理由は「赤ちゃんが片側のおっぱいばかり吸っている」「生まれ持った体質」「赤ちゃんの吸う頻度や強さが左右で違う」などが挙げられます。
気になる方は、あまり飲まないほうのおっぱいから授乳したり、母乳が出にくい側のおっぱいを授乳前に蒸しタオルで温めたりすると良いでしょう。
ただし、片方の胸から分泌物が出ていたりしこりがあったりするなど、トラブルが生じているときは早急に医療機関を受診することが重要です。
Q.妊娠前より大きくなるケースはある?
一般的に、妊娠前の胸の状態には戻りにくいです。しかし、まれに妊娠前と同じ大きさに戻る方や、妊娠前より大きくなる方もいます。その理由としては、遺伝や体重増加、授乳後の適切なケアなどが挙げられます。
Q.いつ頃からワイヤー入りブラジャーに戻していい?
ワイヤー入りブラジャーは、授乳を終えて3ヵ月程度経ってから検討し始めるのがよいでしょう。それまでは胸の状態が不安定なため、ノンワイヤーブラジャーで優しく支えるようにします。
なお、授乳中にワイヤー入りのブラジャーを身に着けると、乳腺を圧迫して乳腺炎につながるリスクもあります。
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産後はサイズの合ったブラジャーの着用が大切
妊娠~産後までの胸の変化や産後に胸が垂れる・しぼむ原因、バストアップ効果が期待できる方法について解説しました。
妊娠により大きくなった胸は、産後に垂れたり形が崩れたりしやすくなります。正しい姿勢やブラジャーのサイズの見直し、胸の筋トレ・マッサージなどを行ない、元の状態に近づけましょう。
特に、卒乳後は胸のサイズが大きく変わるため、胸のサイズを測り直して、自分の体に合ったブラジャーを購入しましょう。バストアップには、目的や悩みに合ったブラジャーを正しく身に着けることが大切です。