これしかないと思えた宮古島産アロエベラ
シャルレがエタリテシリーズの開発を始めた当時、化粧品原料の素材としてのアロエベラは海外産が主流でした。国内では沖縄県で生産栽培が始まったところだったといいます。
「一丸ファルコス株式会社では創業以来販売してきた素材があったのですが、製造に際しさまざまな世界状況の影響を受けるなか、他にもなにか新しい原料はないか探していました」
200種類ほどの培養細胞を用いたテストを繰り返した結果、見えてきたのがアロエだったといいます。
「昔から健康の維持やお肌の保湿など、様々に用いるために民間で重宝されてきたアロエ。そのアロエの中でも、特に果肉が大きくみずみずしいアロエベラにこだわり、最高品質と言えるものを開発してみようという流れになりました」
さまざまな面で魅力的な素材
「無農薬栽培で育てられた宮古島産のアロエベラは、1枚の葉が70~80㎝にもなり、葉肉の厚みは3㎝以上にもなります。宮古島の太陽と生産者の愛情によって生まれた、すばらしい品質のアロエベラだと思いました」
宮古島の土壌と日差し、オーガニック栽培、生産者の愛情、それらさまざまな相乗効果で育ったアロエベラは、力強く魅力的だったといいます。また、その魅力は原料として課題の「供給」という視点でも。
「生のアロエベラを加工しますので、国内の方が当然、鮮度が保たれます。さらに、安定供給という視点でも、国内の方が良いと判断しました」
最高品質の原料を目指して
「輸入のアロエベラがほとんどだった当時、安定した供給や品質について懸念され始めていました。北米から中南米にかけての大規模農家で栽培・現地加工のうえ日本へ輸入されていましたが、コスト競争が激しくなり、農場の買収、工場の転売などが繰り返されるうちに、徐々に供給不安と品質低下が起こり始めたように思います」
そのような不安定な状況下で、品質の高い原料への開発意識が高まります。
「産地の明確なアロエベラから、最高の品質と言えるアロエベラ原料を開発しよう。そう考え開発したのがビオセルアクト アロエベラBです」
優先したのは、あくまでも品質
従来のアロエベラの製法や製造コストにこだわらず、開発にあたったいいます。
「さまざまな角度で確認を重ねながら開発を進めました。アロエベラは、一般的な植物抽出液よりも多くの工程が必要となるため、どうしてもコストが高くなります。しかし製造コストにこだわることはしませんでした。
安全性についても、原液で使用しても問題のないレベルの原料にするために、精製工程を追加し、さまざまな刺激物質を徹底的に取り除きました」
こうしてこだわり抜いて完成させたビオセルアクト アロエベラB。しかし不安もあったそうです。
「価格競争が激しく、製造工程が多いため通常のアロエベラ原料よりも高価格。開発者としてはこだわり抜いた自信作ではあるものの、本当に売れるのか不安でした。そんななか、エタリテシリーズでいち早く、しかも高濃度で採用となったことは、たいへん嬉しかったことを覚えています」
「安定した原料」へのこだわり
アロエベラのエキスを、原液で使用しても問題ないレベルの原料とするため、精製工程を追加し、刺激物を徹底的に取り除いた原料を生み出します。工程試験で数値を細かく確認し、結果に応じ最終調整がおこなわれていきます。
その後、工程試験での数値を細かく確認し、結果に応じて最終調整、加熱殺菌、濾過、容器へ充填してやっと製品となります。
天然物ならではの苦労
生産するうえで、国産の良さを活かすために鮮度にはとても気を使います。新鮮なうちに処理を完了させるよう3日連続でミンチから精製まで1日あたり約600㎏の生のアロエベラを処理するといいます。また、収穫時期によって異なる粘度を均一に仕上げるために、きめ細かな調整が行われています。
「天然物を取り扱いますから、品質の均一性を維持することに注意しています。生産するかたまりごとに粘度にバラツキが出やすいため、各工程の時間や回数を細かく調整、粘度測定をし、その数値を基に絶妙な配合比率で溶解し、粘度が一定になるよう細かな調整に努めています」
原料の良さを製品で発揮できる
化粧品を作るとき、美容成分など「どのエキスを何%配合するか」ということは、各会社の判断となり、それが商品の個性となる面白いところでもあります。
「会社によって大きな差が生まれます。配合量が0.001%の商品もあれば、10%配合される商品もあります。エタリテには、あまり聞かないほど贅沢な量のビオセルアクトが配合されていると製品メーカーから聞いています。機能面からもとても品質の高い商品作りを目指されていることが分かります。
弊社アロエベラ製品を選んでくださったことや、体感できる量をしっかり配合してくださっていることは、原料メーカーにとってとても嬉しく思っています」
シャルレではエタリテ開発当初から、お客さまに安心してお使いいただける商品にしようという熱意、想いが強かったのです。その想いは歴代の担当者を経て、現在もブレることなく受け継がれています。このこだわりを感じ取っていただけていることは、シャルレとしてもとても嬉しいことです。
「シャルレさんの想いにこちらも応えようと精一杯取り組み、自信のある商品として仕上がったと思っています。発売当初から長くご愛用のお客さまがいらっしゃるというのは、本当に嬉しい」
アロエベラの先に見るもの
最後に、今後の展望などをお伺いしてみました。
「ビオセルアクト アロエベラB以外にも、宮古島アロエベラを使用した色々な原料製品を作りました。今後も宮古島アロエベラを使用した製品の魅力を伝えていきたいと思っています。また、宮古島産や沖縄県産原料を使用した原料製品の売上げの一部を、沖縄県や宮古島でサンゴ礁保護の活動を行っているNPO団体に寄付し、天然化粧品原料の販売を通じて環境保全への支援活動を行っています。」
「今後も『使ってみたい』と思えるような心惹かれる原料開発をしていきたい。」
そのように結んでくださいました。
製造の細やかさ、そして機能性確認を重ねた確かなデータが作り出す品質は、エタリテ開発当時から変わらない真摯な姿勢、徹底した原料へのこだわりが貫かれて生み出されています。エタリテの目指す本物、確かな使い心地とやさしさを兼ね備えた化粧品作りに欠かせない存在です。
一丸ファルコス株式会社さまにお話を伺った人
シャルレ ビューティケアマーケティング課 佐藤(右)
シャルレ ビューティケア開発課 工藤(左)