産後に骨盤が歪む原因は?
妊娠中はお腹が大きくなるため、骨盤に負担がかかりやすいと言われています。
骨盤は「仙骨」「恥骨」「坐骨」という3つの骨で構成され靭帯でつながっていますが、その靭帯が徐々に緩くなるため、骨盤が緩み不安定になってしまいます。骨盤を構成する骨が、前や後ろに傾いたり、左右の骨の高さに違いが出たりして歪みが出てくるのです。
出産後、骨盤は3~4か月ほどかけて元の状態に戻ろうとしますが、妊娠中の筋肉低下や赤ちゃんを抱っこする動作で、骨盤に負担がかかり続けると正常な状態に戻りにくくなることがあります。これが、腰痛やむくみ、下半身太りなどのトラブルの要因です。
骨盤が歪むと起きるトラブル
産後、骨盤が歪んだ状態を放置すると、さまざまな身体の不調が起こります。
代表的なのが、腰痛や股関節痛などの「身体の痛み」です。ひどくなると日常生活に支障をきたすこともあります。また、「むくみ」が生じやすくなり、足がだるく感じることもあります。
その他に、骨盤の緩みからくる「尿漏れ・頻尿」、産後多くの女性が悩む「下半身太り」も骨盤の歪みが一因です。
これらを防ぐためにも原因を理解し、適切なケアを行いましょう。
身体の痛み
産後に骨盤が緩んだままの状態になることで、身体のさまざまな部分に痛みが生じます。
- 腰痛:骨盤の歪みが腰に負担をかけ、慢性的な痛みに
- 恥骨痛:出産時に恥骨の結合が損傷している場合は、徐々に痛みはなくなってくる。骨盤が歪んで、恥骨に負担がかかり痛みが発生している場合は、骨盤の歪みの解消が必要
- 股関節痛:骨盤の不安定さを支えるため、股関節周りの筋肉に負担がかかり痛みが発生
- 膝痛:骨盤が不安定なため、身体を足で支えようとし膝関節に負荷がかかり痛みの原因に
これらの痛みは放置すると悪化する可能性があります。適切な骨盤ケアを行い、痛みを軽減することから始めましょう。
むくみ
産後、骨盤の歪みによって足にむくみが生じやすくなる場合があります。
妊娠中は重心が前にかかりやすく、産後は赤ちゃんを抱っこすることで反り腰になりやすいのが要因です。反り腰により骨盤が前傾し、骨盤から足への血液循環が悪くなることでむくみに繋がります。
むくみは見た目の問題だけでなく、疲労を感じやすくなったり、眠れなくなったりと身体の不調を引き起こす場合もあるため、骨盤ケアで血流とリンパの流れを改善し、むくみを軽減しましょう。
尿漏れ・頻尿
産後に起きる尿漏れや頻尿も骨盤の歪みから発生するケースがあります。骨盤底筋は排泄をコントロールする筋肉ですが、赤ちゃんの発育によって骨盤底筋に負担がかかり、尿道を引き締める力が弱まってしまうことが原因です。
筋肉の緩みが要因のため、出産後、骨盤ケアや骨盤底筋を鍛えるエクササイズをすることで改善が期待できるでしょう。
下半身太り
産後、骨盤の緩みによっておこるトラブルの代表例に下半身太りが挙げられます。
骨盤が開いたままの状態が続くと、内臓が正しい位置に収まらず下がっていってしまいます。その状態を放っておくと、ポッコリお腹の原因になることもあるため、骨盤の歪みには早めの対策がおすすめです。
また、骨盤が緩むと太ももの付け根にある「大転子」と呼ばれる骨部分が外側に開きやすくなります。これが「体重は同じなのにパンツが入らない!」という現象を招く要因なので、骨盤を引き締め、筋肉を正しい位置に戻すことで改善が期待できます。
骨盤ケアや日常的なストレッチを取り入れることで、体型を整えていきましょう。
産後の体型はいつまで続く?
産後、赤ちゃんのお世話や家事が忙しく、体型が気になりながら、ついつい後回しになってしまったという声は少なくありません。
毎日が忙しく、体型のケアに十分な時間を取るのは難しいかもしれません。 しかし、「早く妊娠前の体型に戻りたい」と願う女性も多いはず。産後、ある程度は自然に元に戻りますが、適切なケアを行うことで、そのスピードを早められます。
ここでは、産後の体型が続く期間や、体型を戻すためのポイントについて解説していきます。
産前の体型に戻すには骨盤ケアが重要
出産後半年間は、出産に向けて靱帯をゆるめる役割をしていた「リラキシン」というホルモンが、少量ながら分泌され続けています。つまりこの期間は、骨盤が柔らかく動きやすいため、正しいケアを行えば元の位置に戻りやすい期間とも言えます。
その反面、骨盤に負担をかける無理な姿勢や習慣が続くと、歪んだ状態で固定されるリスクもあるので、日常生活では次のポイントを押さえるよう意識しましょう。
【日常生活でのポイント】
- 座るときは骨盤を立てて座り、横ずわりは避ける
- 座りっぱなしを避けて立つ時間も取り入れる
- 長時間の同じ姿勢は避ける ・抱っこのときの反り腰には気を付ける
- 抱っこのときの反り腰には気を付ける
長時間赤ちゃんを抱っこしたり、無理な体勢での育児が習慣化したりすると、歪んだ位置で骨盤が固定されるため、体型が戻らない可能性が高まります。
意識して整体やセルフケアを取り入れ、骨盤ケアをすることが産前の体型への近道です。
放置するとどうなる?
産後に骨盤の歪みを放置すると、体型が戻らないだけでなく、さまざまな不調や痛みの原因につながります。
- 体型の崩れ:骨盤が歪んだままだと、ポッコリお腹が定着したり、骨盤が広がって見えたりなど体型の崩れの原因に
- 腰痛や関節痛:骨盤が不安定な状態では、腰や股関節・膝に過剰な負担がかかるため、慢性的な痛みを引き起こし日常生活に支障をきたすことも
- 疲れ・だるさ:骨盤が歪むと、体内に余分な水分が溜まりむくみやすくなり、常に足が重だるく疲れを感じやすくなる状態に姿勢の悪化… 骨盤の歪みが続くと姿勢がさらに崩れ、他の不調を招くことも
- 姿勢の悪化… 骨盤の歪みが続くと姿勢がさらに崩れ、他の不調を招くことも
これらを対策するためにも、正しい骨盤ケアを取り入れて健康な身体を作りましょう。
骨盤ケアはいつからいつまでに開始すべき?
産後の骨盤ケアは、一般的に1か月から半年以内に始めるのが理想とされています。
出産後も、靱帯を緩める「リラキシン」は半年ほどは分泌され続けるため、骨盤ケアを開始するのに適しているとされています。※
もちろん、半年を過ぎていても、骨盤ケアが間に合わないということはありません。スタートが遅くなることで、骨盤が戻りにくくなる場合はありますが、体調や状態によって個人差もあるため、医療機関にて自身の骨盤の状態を確かめるのがおすすめです。
※リラキシンの分泌期間には個人差があり、適切な時期は個々の状態によって異なります。詳細は医療機関にご相談ください。
骨盤ケアの方法
産後の骨盤ケアにはさまざまな方法があります。
忙しい日々の中でも続けやすく、無理なく継続できるものを選ぶことが大切です。整体での矯正やセルフマッサージ、ストレッチなど選択肢は豊富にあるため、自身に合ったものを選択しましょう。
また、骨盤ベルトや補整下着などのサポートグッズを活用するのもおすすめです。自分のライフスタイルと身体の状態に合ったケアを取り入れることで、産前の体型が目指せるでしょう。
1. 専門機関での骨盤矯正
産後の骨盤の歪みが原因で、腰痛や股関節痛などの具体的な痛みの症状がある場合、整体や整骨院での骨盤ケアや、クリニックへの受診もおすすめです。
専門家による施術は、骨盤を正しい位置に戻し、全身のバランスも整えてくれるため、痛みの軽減だけでなく体型の回復にも役立ちます。
医療機関の場合、セルフケアで改善しにくい症状にも対応できるため、とくに痛みが強い場合や早く改善したい場合に適しています。定期的に通うことで、より効果を実感できます。
2.セルフマッサージやストレッチ
症状が軽度であれば、自宅で気軽にできるセルフマッサージやストレッチがおすすめです。骨盤底筋を鍛えれば尿漏れや腰痛などの対策に役立ちます。
骨盤底筋や骨盤に効果が期待できるストレッチを3つご紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。
【骨盤底筋セルフマッサージ】
骨盤の下に骨盤底筋があるため、内ももの付け根から、やさしくつまんで離すことを下に向かって繰り返していく。筋肉をほぐし血行を良くする
【骨盤底筋のストレッチ】(5~10セット)
①仰向けに寝て両ひざを立てる
②腰を持ち上げて浮かし5秒数えながらゆっくり下す
【骨盤と脊椎の連動のストレッチ】(5~10セット)
①四つん這いになり息を吐きながら背中を丸め、おへそを見る ②息を吸いながら背中をそらせて顔は前を見る
育児の合間やリラックスタイムに試してみましょう。継続することで骨盤の安定や体型の回復につながります。
3.骨盤ケアが可能なサポートグッズを活用
産後の骨盤ケアには、専用のサポートグッズを活用するのも効果的です。
骨盤ベルトや補整下着は、骨盤を正しい位置に支えることに役立ちます。価格は一般的に3,000円から1万円程度で、手軽に始められるのも魅力といえるでしょう。
これらのサポートグッズは、身に着けるだけでいいため、継続がしやすく忙しい育児中の女性にとって、日常での強い味方になってくれます。
骨盤ケアにおすすめなサポートグッズの選び方
産後の骨盤ケアには「骨盤ベルト」や、体型を補整する「補整下着」などのサポートグッズの活用がおすすめです。
骨盤ベルトは、骨盤周りを支え快適な姿勢をサポートします。一方、補整下着は着用するだけで、体型をすっきり見せながら、姿勢をサポートすることができるアイテムです。
これらのサポートグッズを無理なく取り入れることで、育児中でも効率よく骨盤ケアを行い、良い姿勢で日々を送れます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
骨盤ベルト
骨盤ベルトは、産後に緩んだ骨盤を正しい位置にサポートし固定してくれ、姿勢を良くする効果も期待できます。
産後の骨盤は靱帯が緩み不安定な状態なだけに、いつから着ければいいのか気になるかもしれません。骨盤ベルトは、出産直後からの使用が一般的です。
簡単に脱着できるものが多く、薄手、厚手や素材、サイズがいろいろあるため、自分に合った骨盤ベルトを選びましょう。快適に着けられるものを選び、継続的に使用することが大切です。
補整下着
補整下着は、ウエストやヒップラインを整え、体型を美しく整えてくれます。産後に、おしゃれをしたいときの救世主ともいえるアイテムです。
骨盤ベルトのような直接的な矯正アイテムではなく、見た目を整えつつ長時間の着用が可能なのが特徴といえるでしょう。腰や骨盤を安定させる設計のものや、夏は薄手の素材、冬は暖かいものなど、機能やデザインも豊富です。日常の服装に合わせやすいものを選ぶことで、無理なくケアを続けられます。
サポトレサマー(R)(ガードル・腰サポート)
メッシュ素材で夏も爽やかに腰サポート
着脱しやすいフロントファスナー。
ムレにくいメッシュ素材2種類を使い分け夏向きの清涼感のあるはき心地。ややソフトな着用感で、腰を支えます。
腰にアプローチする機能だけでなく、お腹をおさえ、ヒップを高い位置にキープして、女性らしい美しいボディーラインに整えます。
腰を支えることで歩行を快適に。さらに歩く※1ことで、お腹と太ももの筋肉トレーニングも。
(特許第4024287号)
※1:女性の1日の平均歩数は5,832歩です。(令和元年国民健康・栄養調査)
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骨盤ケアを成功させて産前の姿を取り戻そう!
出産という大変な経験をした身体は、さまざまな面で大きな変化をしています。産後の体調の変化や骨盤の歪みを感じる場合は、紹介した骨盤ケアに取り組んでみましょう。
早いうちから骨盤ケアを行い身体と心を健やかに保って、産前の体型を取り戻しましょう。
赤ちゃんのお世話で忙しい毎日だからこそ、整体でプロの施術を受けるのも良い方法ですし、自宅でのセルフケアや、無理なく続けられるサポートグッズを利用するのもおすすめです。
身体をケアすることで、心にも余裕が生まれます。赤ちゃんとの新しい生活を楽しみ、あなた本来の美しさを取り戻していきましょう。