巻き肩と猫背の違いとは?
巻き肩と猫背はどちらも姿勢の歪みで、本来の姿勢からずれた状態です。この2つは似ているようですが、特徴が異なります。
巻き肩は、肩が内側に丸まるように前方に出る状態です。脱力して体の横に手を垂らしたときに、肩のラインが耳より前にあったり、正面から見たときに手の甲が見えたりするのが特徴です。
一方、猫背は背中全体が丸まり、上半身が前かがみになり姿勢が悪くなる状態です。
それぞれの違いを理解することで、自分の姿勢がどちらに当てはまるのか確認できるようになるでしょう。ただし、 巻き肩と猫背は併発することも多く、両方の特徴がみられる場合もあるため注意が必要です。
巻き肩は猫背やストレートネックを併発させる恐れも
巻き肩になると、他の姿勢の歪みを併発する可能性が出てきます。肩が前方に出る状態は首や背中に影響を及ぼすため、ストレートネックや猫背になりやすいといえます。
巻き肩になると、顔と首が自然と斜め前方に突き出したような姿勢になりますが、これは肩が前に出ているためです。常態化すると首の骨(頚椎)のカーブが失われ、ストレートネックになる可能性が出てきます。
また、肩の位置が前方へ傾くことで前かがみになり、背中全体が丸くなって猫背になるケースも多くみられます。
巻き肩は、見た目の変化だけでなく肩こりや頭痛などの不調を伴いますが、猫背も併発している場合には、腰痛が起こるかもしれません。
巻き肩を改善して本来の姿勢と健康を取り戻すためには、そのまま放置せず、できるだけ早く対策を取ることが重要です。
猫背やストレートネックを併発するリスクを避けるためにも、巻き肩の原因を理解しておきましょう。まずは、日々の生活でできる改善策を取り入れ、姿勢を整えることを意識するのがポイントです。
巻き肩になる原因は?
巻き肩は、日常生活の習慣や姿勢が原因となるケースが多く、主な原因として以下の3つがあげられます。
・パソコン作業やスマートフォンを見るときの姿勢
・運動不足による筋力の低下
・横向き寝の習慣
これらの原因が重なり、巻き肩を進行させて固定化していきます。
日常で気を付けるポイントを把握できるよう、それぞれについて詳しくみていきましょう。
スマホやパソコンを見るときの姿勢
スマートフォンやパソコンを見るときの姿勢が、巻き肩になる大きな原因の一つです。多くの人は、画面を見る際に顔を近づけるため、頭が前に突き出る「前傾姿勢」を取りがちです。
【巻き肩の原因となる姿勢】
- 前傾姿勢:スマホを低い位置で持つため、顔を下に向ける前傾姿勢が習慣になり、首や肩に負荷がかる
- 手を前に出しての作業:キーボードやマウスを操作する際、腕と一緒に肩が前方に引っ張られるため、筋肉が緊張した状態になる
- 長時間同じ姿勢:同じ姿勢で画面を見続け作業することで、筋肉が硬直し肩が前に出やすくなる
これらの姿勢が続くと、肩周りの筋肉と背中や首への負担が慢性的になり、固定されて巻き肩になってしまいます。
筋肉不足
運動不足などで肩甲骨周りの筋力が低下すると、肩が前方に巻き込まれやすくなります。
弱まった筋肉では、前に出ようとする肩を正しい位置に引き戻し維持するのが難しいためです。
【巻き肩につながる筋力不足】
- 肩甲骨周りの筋肉不足
頭の後ろから背中にかけての僧帽筋や、背中の深部にある菱形筋などの筋肉が弱まると、肩甲骨を引き寄せる力が低下し、肩が前に出やすくなる
- 胸と背中の筋肉のバランス
背中の筋肉が弱くなり、胸筋が優位になると、肩を前方に引く力が強まり、巻き肩が進行する
- 姿勢を支える筋肉の不足
背筋だけでなく、体幹(腹筋や股関節周辺、太ももなど)の筋力が不足すると、正しい姿勢を維持するのが難しく、姿勢の崩れを招く
日常的に筋トレや運動を行い、肩甲骨を支える筋力を強化しましょう。筋肉を鍛えることが、巻き肩の改善のカギになります。
寝方が悪い
睡眠中の横向き寝の習慣が原因で巻き肩になったり、寝姿勢によっては体全体のバランスが崩れて姿勢が悪くなる場合もあります。
【巻き肩を引き起こす寝方】
- 横向き寝の影響
横向きで寝る習慣がある場合、片方の肩が下になり体重がかかり、肩が前方に押し出される状態になる。その結果、肩が前に出る原因に
- 寝姿勢の歪み
骨盤が傾いた状態や背中を丸めた姿勢で寝ると、体のバランスが崩れ、肩や背中への負担が増える
- 寝具が合わない
高すぎる枕は寝返りが打ちにくいため、横向き寝が長時間続く可能性が高い。やわらかすぎる敷布団やベッドマットは、体を十分に支えられず体全体のバランスを崩す可能性がある
これらの問題は放置すると、巻き肩に悪影響を及ぼすため、適切な寝具を選び、寝姿勢を正すことで、巻き肩の対策や改善につながるでしょう。
巻き肩かどうかセルフチェックしてみよう!
巻き肩かどうかは、簡単なチェックで判断できます。
以下のセルフチェック方法で、自分の肩が正しい位置にあるか確認してみましょう。
【セルフチェック方法】
①指先を上にして両腕をまっすぐ上にあげる
・腕がある位置を確認→腕が耳より前にあれば巻き肩の可能性あり
②力を抜いて両手を下す
・ひじの向きを確認→ひじが横向きなら巻き肩の可能性あり(通常位置は後方向き)
・手の甲の向きを確認→手の甲が正面を向いていたら巻き肩の可能性あり ③硬い床にあおむけに寝る
・肩と床の間に空間がある場合は巻き肩の可能性あり
③硬い床にあおむけに寝る
・肩と床の間に空間がある場合は巻き肩の可能性あり
セルフチェックでいくつかの結果が重なっていると、巻き肩の可能性が高いといえます。
また、あおむけに寝るのが苦しい場合や、寝起きに首や背中・肩が痛いと感じる場合も、巻き肩が原因かもしれません。
セルフチェックは簡単にできます。定期的なチェックや、肩や背中の違和感を感じたら確認することが早期対策への第一歩となります。
巻き肩の治し方
巻き肩の改善には、3つの方法を日常に取り入れることがおすすめです。
筋トレやヨガで肩甲骨周りの筋肉を強化し、柔軟性を高めます。そして、ストレッチを取り入れ、こわばりがちな胸の筋肉をほぐし、肩の位置を正しい位置に戻します。さらに、日常生活で、姿勢を整え、巻き肩を改善し、姿勢を戻せるように対策を取っていきましょう。
筋トレとストレッチ、姿勢の矯正を組み合わせたトレーニングで、巻き肩を治す方向に体を導き、美しい姿勢を取り戻しましょう。
1.筋トレ、ヨガ
巻き肩を改善するには、筋トレやヨガで肩甲骨周りや背中の筋肉の強化が必要です。筋肉を強化することで、肩を内側に巻き込む力に負けず、正しい姿勢を保てる体作りが目指せます。
<おすすめの筋トレとヨガ>
【筋トレ・肩甲骨を寄せて筋肉を鍛える】
- 腰の後ろで手のひらを合わせて組む
- そのまま組んだ手を下へ引き下げ、肩甲骨を内側へ寄せ20秒キープする
ポイント!顎を引き視線はまっすぐ前を見る。反り腰にならないように注意
【ヨガ・猫のポーズ】
- 四つん這いで、肩の下に手をつき肩幅に開く。腰の下に膝をつき足は腰幅に開き、つま先はのばす
- 息を吐きながらおへそを覗き込むように背中を丸める。肩甲骨が外へ広がるのをイメージする
- 息を吸いながら体をそらす。視線は斜め上の自然な位置を見る
2.ストレッチ
巻き肩の改善には、硬くなった筋肉を、ストレッチでほぐすことが欠かせません。肩周りと胸の筋肉がほぐれれば、肩が正しい位置に戻りやすくなります。
<効果的なストレッチ>
【肩の筋肉をほぐす】
- 両手の指先を軽く肩にのせる。
- ひじを前から後ろへ、大きくゆっくり回す。次に、後ろから前へ回す(各5回)
【胸の筋肉を伸ばす】
- 壁を右側にして横向きに立ち、右手を伸ばして、手のひらを広げて肩の高さでやや後方の壁に手をつく
- 壁についた手の親指が上になるよう手のひらを後方に90度回す。 体と顔を左に回し20秒キープする
- 逆の手も行う。余裕があれば手をつく高さを肩より上、肩より下に変えて行うとよい
ポイント!
肩甲骨を背中の中央に寄せるのを意識し、大きく息を吸ったり吐いたりしながら行う
ストレッチは、毎日続けることが大切です。無理のない範囲で隙間時間の2、3分で行うことを習慣にしましょう。
3.姿勢を矯正
巻き肩の改善には、正しい姿勢を意識し保つことが大切です。正しい姿勢は、体のラインを美しく見せる効果も期待できます。無理のない範囲で、姿勢を意識し改善を目指しましょう。
<正しい姿勢を保つポイント>
【座り姿勢 、立ち姿勢】
座っているときも立っているときも、耳、肩、骨盤が1本のライン上に並ぶよう意識する。胸が縮こまらず開いた状態で、顎を引いて顔を前に向ける
【肩甲骨を寄せる意識】
長時間のデスクワークでは前傾姿勢になりやすく、肩が内側に巻き込みがちに。定期的に、頭の後ろで手を組み、腕を後ろへ開き肩甲骨を寄せる動きを取り入れる
【モニターやスマートフォンの位置を調整】
モニターは視線が正面に保てる位置に高さを調整し、スマホは目の高さに持ち上げることで、前傾姿勢を防ぐ
毎日3分でできる簡単ストレッチ
巻き肩を改善するためには、日々の積み重ねが大切です。ここでは、椅子に座ってできる、3分間ストレッチ方法を紹介します。
<簡単3分ストレッチ>
【1、肩甲骨を寄せる】
- 椅子に浅く腰かけ、腰の後ろで手のひらを合わせて組む
- 組んだ手を上へ持ち上げ、肩甲骨を内側へ寄せ5秒キープする
- 5秒かけてゆっくりと手を基の位置に戻す(3セット)
【2、胸の筋肉を伸ばす】
- 椅子に座り、両手を前に出してひじを軽く曲げ、両手のひらを上に向ける
- 両手のひらを上に向けたままひじを曲げた状態で、横から後方へ回し胸をはり、腕を戻す(ゆっくり10セット)
- このとき肩甲骨が内側へ寄り、肩の前の筋肉が伸びるのを意識する
【3、タオルを使ったストレッチ】
- タオルの端を両手でそれぞれ持ち、両手でバンザイをするように持ち上げ5秒キープする。
- タオルが肩の後ろに来るようにゆっくり下ろし(肩まで下ろすのが無理な場合は首の後ろまで)、5秒キープする(5セット)
姿勢をサポートするグッズの活用もおすすめ!
巻き肩や猫背の対策には、姿勢をサポートするグッズの活用が継続しやすい方法です。
ここで紹介する猫背矯正ベルトやストレッチインナーは、正しい姿勢を保ちやすくなるだけでなく、日常生活の中で無理なく体の歪みを整える手助けをしてくれます。
自分に合ったサポートグッズを装着して、無理なくキレイな姿勢を目指しましょう。
肩ストレッチインナー
正しい姿勢を意識してキープするためには、ストレッチで身体を動かすことも大切です。そこでおすすめなのが、肩ストレッチインナーです。
シャルレの肩ストレッチインナーは、着脱時や、着用中の日常動作より、肩を大きく動かせるので、着用しながらストレッチ効果が期待できるインナーです。
日常生活の中で手軽にストレッチをサポートしてくれます。
肩ストレッチインナー(長袖)
肩まわりの筋肉を通常より大きく動かすことを促すインナー。
着脱しながら肩運動し、肩まわりの筋肉を大きく動かす、ストレッチ理論に基づいた設計。
特許取得済(特許第5002727号)
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猫背矯正ベルト
猫背矯正ベルトは、巻き肩や猫背を改善したい方にとって、取り入れやすい姿勢サポートグッズです。
ベルトのかけ方は数種類ありますが、基本的には、ベルトを両肩にかけウエスト部分で固定して、背筋を伸ばした姿勢を補助します。このベルトを着けることで、無理なく背筋が伸び、肩や背中の緊張がゆるむため筋肉への負担が軽減されます。
ただし、使用時間は、1日2~3時間程度にとどめることが理想です。
長時間使用すると、筋肉がベルトのサポートに慣れてしまい、筋力の低下につながる可能性があります。姿勢をキープする筋肉が低下すると、逆効果になるため、着用時間には気を付けましょう。
巻き肩や猫背を対策して美しい姿勢を手に入れよう!
巻き肩や猫背ついて解説しました。巻き肩や猫背になってしまった場合は、日々の意識が大切です。
少しずつでも、筋トレやヨガ、ストレッチを取り入れて筋肉を鍛え、正しい姿勢を意識する習慣をつけましょう。ストレッチインナーや猫背矯正ベルトなどの、姿勢サポートグッズを活用すれば、無理なく姿勢を整えられます。
正しい姿勢は、見た目の若々しさや、印象を大きく左右するだけでなく、肩こりや腰痛対策などメリットがたくさんあります。今日から、巻き肩と猫背対策を始めて、美しい姿勢を手に入れましょう